気密性の高い住宅では、省エネ効果は高いのですが、自然換気が期待できません。
換気方式について
換気回数といって、一時間あたりの空気の入れ替え量を目安にします。
住宅の場合は、0.5回が基準値となります。
換気方式には、自然換気と機械換気があり、機械換気はさらに3種類に分けられます。
【自然換気】
住宅には、風や温度の差により内外に圧力差が生じます。この圧力差によって自然と発生する換気が自然換気です。
この自然換気による換気回数は、住宅の気密性により異なります。
C値(すきま相当面積)という数値がありますが、これが小さいほど気密性の高い住宅ということになり、自然換気の量が少なくなっていきます。
【機械換気】
人為的な換気では、空気の入口(給気側)と出口(排気側)を設けて空気の出入りを促すことになりますが、その出入り口をどのように作るかによって区分します。
○第1種機械換気
給気側、排気側双方に送風機を使用する換気方式。もっとも計画的に換気を行うことができます。室内外の気圧差がなくなるので自然換気量も少なくなります。
○第2種機械換気
給気のみを送風機で行う換気方式。室内は正圧になります。
○第3種機械換気
排気のみを送風機で行う換気方式。室内は負圧になります。最も一般的な換気方式で、居間や個室に外部から新鮮な空気を取り入れて、トイレ・洗面所等から排出します。
高断熱高気密住宅は、第1種機械換気で行います
換気を行うと暖冷房した空気が逃げてしまい、省エネ効果を相殺してしまいます。
そこで高断熱高気密住宅では、第1種換気を行うことで計画的に換気を行います。
室内の空調された熱を逃がさないように、熱や水蒸気を回収する機能を持った熱交換型の換気扇を使用します。
熱のみを回収するのが顕熱交換型、熱に加えて水蒸気も回収するのが全熱交換型です。
薪ストーブを使うときも第1種換気で
最近薪ストーブを採用する住宅が増えていますが、採用する換気方式にも注意が必要です。
ストーブには燃焼用の空気を送るファンを装備したものもありますが、一般的には室内側から給気をもらい排気熱の浮力により燃焼空気が煙突から排出されます。
第3種換気方式が採用されている場合、給気口から入ってくる新鮮空気が換気扇から逃げていったしまったり、または煙突が給気口の働きをしてしまったりしてストーブが燃焼しなくなってしまいます。
熱交換型の第1種換気では給排気をファンで行いますので、ストーブにとっても適した方式となります。
まとめ
高気密住宅は、締め切った息苦しい家といったイメージを持たれがちですが、暖冷房期の空調は計画換気で、その他中間期や時間帯によっては窓の開閉を上手に行うことで、とても快適に住める家と言えるのではないでしょうか。