日射熱にかんしては、省エネ上夏は少なく、冬はたくさん欲しいという相反する性質をもったものです。
省エネ性能のひとつ、「日射熱取得率」の計算方法について説明します。
平均日射熱取得率(ηA)とは?
平均日射熱取得率=日射熱取得量/外皮等面積の合計
です。冷房期のηA、暖房期のηAというふうに使い分けます。
省エネ基準の外皮性能の指標として使うときは、冷房期のものをηAであらわします。
日射熱取得量を求める
以下の算式において各記号の2番目についている添え字C、Hはそれぞれ冷房期、暖房期の数値ということになります。
窓については、間にdの添え字がはいります。
日射熱取得量を算出すれば、あとは外皮面積で割ってあげれば計算終了です。
◆窓の日射熱取得量mC(mH)=窓面積(A)×窓の日射熱取得率ηdC(ηdH)×補正係数fC(fH)×方位係数νC(νH)
◆部位ごとの外皮日射熱取得量mC(mH)=部位ごとのの外皮面積(A)×日射熱取得率ηC(ηH)×方位係数νC(νH)
背景が黄色の用語の意味と計算方法が理解できればOKです!
日射熱取得率:ηC、ηH
壁面等(壁、天井、床、窓等)に垂直に入射する日射について、壁体等を透過する日射と、壁体等に吸収されて室内側に伝達される熱との和の、入射する日射に対する比のことをいう。
窓の日射熱取得率
窓の日射取得率は、設計施工指針の別表に定められた値を使用します。ガラスは日射取得型か遮熱型で値が異なります。付属部材は紙障子・外付けブラインドのみで、内付けブラインドは不可です。
Low-Eガラス
Low Emissivity(低放射)の略で、ガラス表面に低放射膜を配したガラス。
ガラスの日射取得型と日射遮蔽型
ガラス中央部の日射熱取得率が0.5以上のものを「取得型」、0.49以下のものを「遮蔽型」といいます。
取得日射量補正係数:fC、fH
窓の日射熱取得率は、庇の有無にかかわらず補正をする必要があります。冷房期と暖房期について分けて計算します。
窓の補正係数の算出
窓の補正係数の求め方には、3種類あります。
①定数(庇等のあるなしにかかわらず一定)
②簡略法:庇等の窓からの高さ、出寸法により、[冷房期]・[暖房期]ごとに計算式で求める。
y1:日除け下端から窓上端までの垂直方向の距離(mm)
y2:窓の開口部の高さ(mm)
z:壁面からの日除けの張り出し寸法(mm)
③詳細法:庇がある場合、無い場合に分けて計算する。
地域の区分、ガラスの種別等に応じ「取得日射量補正係数」の数表をもとに算出する((国)建築研究所のHPからダウンロード)。
外皮の日射熱取得率
外皮(壁・天井(屋根)・ドアで床は含まない)の日射熱取得率は、熱貫流率に0.034を掛けて求めます。
方位係数
日射熱取得量の算出において、地域区分ごとに定めた方位による影響度合いを考慮した係数。暖房期と冷房期で分けて定める。
まとめ
考え方を理解できたら、あとは計算プログラムを用いて計算しましょう!
⇒HP:日本サステナブル建築協会
本日は平均日射熱取得率についての講義でした!
ふーっ...