人生でいちばん大きな買い物である住宅。
そのときに真剣に考えてほしいのが住宅ローンについてです。
なのに営業マンに勧められるままに、安易に決めてしまいがちです。
この本は、住宅メーカー、工務店を決める前に読むことを、強くお勧めします!
「住宅ローン借り方・返し方得なのはどっち?」著者、平井美穂氏
著者は住宅ローン専門家FPの平井美穂氏。住宅ローンについての相談実績5000件超の実績を持つそうです。
僕も自ら住宅ローンを抱え、仕事の関係上、お客様が住宅ローンを組む現場にも同席した経験がたくさんありますが、まさに「目からうろこ」状態で一気に読んでしまいました。
まえがきにこう書いてあります。
ちょっとした「選択のミス」で人生を後悔しないために
マイホームの購入を考えたときに、たいていの人はまずモデルルームや住宅展示場に行きます。
銀行にいったり、ファイナンシャルプランナーに相談する人はあまりいないと思います。
住宅に対する夢のほうが先行してしまい、住宅ローンのことは業者が決まってから営業マンに言われるままに選択するというケースが大半ではないでしょうか。
住宅ローンの返済は長期にわたるので、その間には想定外のこと、あるいは想定はしていたが現実はかなり違ってしまったということも多々あります。
この本は、住宅ローンを考える際に検討しなければならないことを、その場面に応じて2者択一方式で説明してありますので、目次をみながら気になるところから読んでいけます。
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「フラット35」と「銀行の長期固定」正解はどっち?
これ分かりますか?
僕が、この本を「建築業者を決める前に読んでほしい理由」が書いてある章です。
この問題、「フラット35S」という制度も併せて考えなければいけないのですが、「銀行の長期固定」の場合もあれば、「フラット35S」であればフラットのほうが良いということです。
なぜかというと、「フラット35S」は「フラット35」に比べて金利が0.3%安いところにあります。
銀行とフラットの大きな相違点は、保証料と団体生命保険の取り扱いなのですが、これと利息を含んだ総支払い額を比べなければいけません。
この団体生命保険、銀行ローンの場合は金利に含まれるのが一般的なのですが、フラットの場合は別途保険会社との契約が必要になります。
ここがいちばん大切な部分です。
「フラット35S」の金利水準であれば、それに団信の金額を入れ込んでも、銀行の長期固定とそれほど違わなくなります。
では、「フラット35S」は「フラット35」と何が違うのかというと、「フラット35S」は省エネ、耐震等住宅の性能が優れている住宅に対して適用される金利システムです。
最近では、高性能の住宅が一般的になってきていますので、「フラット35S」基準に適合する性能を標準仕様にしている業者も多いかも知れませんが、この点は業者決定前にぜひ確認しておきたいところです。
⇒関連記事:「フラット35、そのメリットは?」
そのローン、定年退職時に完済のメドが立っていますか?
これ、かなり重要です。
定年退職時に退職金で一括返済出来れば良いのですが、そうでない場合も多々あるかと思います。
年金収入のみでは、ローンは返済できないのです。
本文からの引用です。
最近は、年金収入より家計支出が大幅に上まわり、過度な労働を余儀なくされる「過労老人」が増えているそうです。
これから借りる皆さんは、年金暮らしが始まる65歳までに完済する計画を立てて欲しいと思います。
まとめ
家を建てる方のお手伝いを業としていることに加え、自らも住宅ローンを抱えていることから、本当に役に立つ本でした。
自分のローンについても反省しきりです(^^;)
マンション購入の際に気をつけること、繰り上げ返済やこどもの教育費のための貯蓄とも絡めて説明してあります。
おすすめの一冊です!
最後に、
この本の内容とは関係ないのですが、「フラット35S」を検討するなら、省令準耐火構造の採用も検討すると良いですよ。
火災保険が大幅に減額されます。
⇒関連記事:「省令準耐火構造を詳しく説明します」
⇒関連記事:「火災保険の更新時期がきたので、もう一度詳しく検討してみた!」