電気料金に先高感?エアコンは容量を十分吟味、省エネ効率のよいものを選びましょう!

省エネ住宅

エアコンを選ぶとき、どのような基準で選定していますか?

新築のときも、言われるままに選定するのではなく、その住宅の性能を基準に選ぶようにしましょう。

エアコンの性能って?

COPとかAPFという言葉を聞いたことがありますか。まずその言葉の意味について説明します。

COP:冷暖房平均エネルギー消費効率

Coefficient Of Performanse の略。電力を1kW使ってどれだけの冷暖房効果が得られるかを示す指標でエアコンのパワーを示します。

COP=定格能力(kW)÷定格消費電力(kW)

例えば、メーカーのカタログ値で、暖房の定格能力が2.5kW、消費電力が415Wであれば、

2500÷415=6.0

となり、この 6.0 という数値が、暖房COPとなります。

COP値が大きいほど冷房・暖房運転時の消費電力が少なくなり、省エネ性能が優れています。

ここで注意したいのが、冷房と暖房で数値が異なるということです。双方の平均値を「冷暖房平均COP」としてひとまとめで評価することもあります。

APF:通年エネルギー消費効率

Annual Performance Factor の略。1年間のうちのある一定の期間において、ある一定の環境の下でエアコンを運転した場合の運転効率を示します。

APF=1年に必要な冷暖房能力(kWh)÷機種毎の年間消費電力量(kWh)

数値が大きいほど、省エネ性能が優れています。

2006年9月に改正された省エネ法により、COPに変わる省エネ基準値として採用されました。

COPのように暖房と冷房を分けて考えるものではなく、COPに比べて実使用に沿った性能を示します。

建物の性能と求められるエアコンの容量

現在の日本のZEHの水準をみてみると、それほど高くも無い断熱性能の住宅に、省エネ性能の高い設備と太陽光発電をのせることでエネルギー消費量を減らそうとする、「メカメカZEH」と一部ではいわれています。

参考までに、国の一次エネルギー消費量算定プログラムでは、エアコンはどのように扱われているのかみてみます。

エアコンの場合、居室ごとの間けつ運転が前提となります。

使用するエアコンが省エネルギー対策をしている場合には、冷房COPの数値をもとに定められた(い)(ろ)(は)の区分を入力していきます。

消費効率の区分

(い)の性能値が次の表です。

区分(い)

この(い)欄にあるものが省エネ効果の高いエアコンと判断すればよいと思います。

⇒HP:一次エネルギー消費量算定プログラム(日本サステナブル建築協会)


 

ただ、住宅の断熱性能等とエアコンの性能によっては、連続運転としたほうが電気料金が安くなることもあるという試算もあるようです。

住宅の躯体の省エネ性能は、暖房期においては、その断熱性・気密性・冬の日射熱取得量で決まってきます。この躯体性能をしっかり確保すれば、効率のよいエアコン1台の連続運転で住宅全体の室温を一定に近づけることができるそうです。

HEAT20のG2グレード、Q値=1.6W/㎡K、C値=1cm/㎡の40坪(80帖)程度の住宅であれば、冬の日射熱がなくても18帖用のエアコン1台で十分だそうです。

(以上、日経ホームビルダー2016年2月号~4月号より抜粋)


パリ協定を遵守すると、電気代が上がる?

2012年、東日本大震災の原発事故後に行われた国の「エネルギー・環境会議」によると,2030年代には原発稼動ゼロを可能とするようあらゆる政策資源を投入するとあります。

⇒HP:国のエネルギー・環境会議

このあと2015年12月には、国連の第21回気候変動枠組み締結条約締結会議(COP21)において「パリ協定」が採択され、2050年の「ゼロ炭素化社会」へ向けて、エネルギー政策の速度を上げなければならない状況になっています。

国によれば、脱原発を進めることにより、2030年には電気料金が最大2倍程度になるとの試算があるようで、消費者サイドでは、そのときの家計への負担増へも備えておく必要がありそうです。

まとめ

ほかの記事で、エアコンは部屋の畳数で決めない方がよいということを書きましたが、躯体の断熱性能だけでなく、設備にかかるコストも適切に選定してコストの調整をおこないものです。

⇒関連記事:エアコンの容量を畳の枚数で選んでいませんか?

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