空き家問題について耳にすることが増えました。
総務省平成30年調査によると全国の空き家数は賃貸住宅も含めて846万戸、空き家率は13.5%ということになっています。
この中で空き家問題を構成する「空き家住宅」は348万戸もあるらしいのです。
増え続ける空き家
何が起こっているのか?
住宅には当然家族が住みます。そこでは生活が営まれ子が生まれやがて独立します。
就職、結婚などの理由で一旦家を出ることになった子が、家を継いでもとある家に住んでくれれば問題ないのですが、様々な理由でそうもいかないようです。
新築にこだわる人たち
戦後、国による住宅取得支援政策によりマイホームを持つことが夢となり、一種のステータスとなりました。
その後価値観は、家を持って一人前というふうに変わって行きます。
そもそも市場に中古住宅がそれほどあるわけもなく、マイホームは当然新築で手に入れるものだったのです。
昭和時代のような日本経済が上向きのときはそれでよかったのでしょう。
収入が減っているという現状
時代は平成を経て令和になりました。
平成にバブルがはじけて経済低迷期に入り、その後の時間を失われた20年、30年などと揶揄されています。
アベノミクスで日本経済は復活したと、今の政権与党は自慢していますがホント?と言いたくなります。株価がすこし上がっただけでしょ?世界からは「安い日本」と言われていますよ!
わたしはアラ還暦ですが、若い人たちの給料を聞くと唖然とすることがあります。
自分の若い時に比べて上がっていないどころか、下がっているのではと感じます。
当然大きな企業とかはそんなことはないと思いますが。
無謀な返済計画
私は住宅メーカーで、また住宅メーカーと設計の仕事をした経験があります。
会社は当然家を建ててもらわないと存続できません。
ただ、若い夫婦が一見して無謀だろうと思える返済計画で家を建てるのもみてきました。
例えば、共働きの若夫婦。収入を合算すればローンの返済は問題ないと思えるのですが、子供が生まれ奥さんが仕事を続けられなくなるのではないか、またご主人が病気になって働けなくなるかもしれないよ、という助言はだれもしてくれません。
昨今のコロナ渦で、収入が減りマイホームを手放さざるを得なくなったというはなしも耳に入って来たりします。
空き家住宅購入という選択肢
そこで、住宅ローンを小さく抑える選択肢として中古住宅の購入を選択肢として取り上げることを提案します。
中古住宅、いや「空き家住宅」と言った方がわたしのお勧めするリノベーションのイメージに近いです。
耐震化、省エネ化は補助金で補ってお得
築年数の経過した空き家住宅は、耐震性能、省エネ性能が劣っていることが不安要素としてあります。おそらく耐震補強をして省エネ対策工事もしないと現代の住宅として機能しないと思います。
築年数の新しい中古住宅は不動産業者が簡単なリフォームをして売り出されています。
しかし、築年数の古い住宅は金額が小さいわりにリスクが大きく不動産業者はあまり関わらないようです。
ただ金額が驚くほど安い物件があります。それに手を加えて快適に住めるようにするのです。
行政も空き家問題を解決すべく、様々な補助事業を行っています。
そういうのを上手に活用して住宅取得費用を少なく抑えるのです。
プロの設計士に相談 決して敷居は高くはありません!
不動産屋さん、住宅メーカーの営業間マン、工務店の現場上がりの社長、それぞれ専門知識をお持ちです。ただ専門外はあまりお得意でない部分もあるかもしれません、
そこで、住宅の構造、省エネに詳しい設計事務所に相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
プロの設計士は建築に詳しいだけではありません。
住宅取得に係る諸問題、例えば物件探し(立地の良し悪しも含め)、住宅ローンを扱う銀行との折衝、工事がミスなく行われているかのチェック、完成後の登記の手続のお手伝い、転居後の暮らしの相談すべてにこたえてくれるでしょう。
住宅メーカー、リフォームメーカー探しの他に、ぜひ建築設計士に相談するという選択肢も加えてみてはいかがでしょうか。