半年以上前のことらしいのですが、5層サッシが発売されていました!
スマホ系の進化ばかりに目がいっていましたが、建築資材系も進歩していますね。
5層構造アルミサッシ、「レガリス」
メーカーの宣伝をするわけでも、ましてアフィリでもありません。だからあえてメーカー名は書きません。
単純に驚いています。3層ガラスまでは、現行の省エネ基準の仕様リストの中にもありました。対応地域は、省エネ地域区分の1~3地域くらいだろけど、重くて使いづらいだろうなという認識を持つ程度でした。でもこれ、使い勝手とかを通り越して、技術進歩のさきがけとしての価値を感じます。
紹介文によると、「特殊薄板ガラスを5層重ねた構造で、断熱性能を示す熱貫流率(U値)は0.55W/㎡・K。これは、10kg/m3程度のグラスウールを約85ミリ充填した壁に匹敵する。同社が現在販売している樹脂窓のU値が1.48なので断熱性能は格段に上がる。」とあります。
省エネ基準をみてみると、例えば5地域では、開口部のサッシの熱貫流率は、4.65W/m2・K以下であればよいことになっています。
このことを考えれば、断熱性能的にすごい数値だということが分かります。
これまでガラスの多層化には、重量増加や透明性の低下、耐久性低下、構造の不安定化などの懸念から、4層が限界といわれてきました。
「レガリス」は特殊薄板ガラスを使用し、1㎡当たりのガラス重量は約20kg。一般的なトリプルガラスの同22.5kgよりも軽いそうです。
遮熱性の高いLow-eグリーンガラスを室外側の一枚に採用し、そのほかのうち3枚は透明性の高いLow-eクリアガラスとしてあります。
ガラスを支える樹脂スペーサーは2層構造、内側3枚のガラスは樹脂スペーサーで囲われていて端部が露出せず、冬場に割れるリスクを低減しているといいます。
現状の課題は、総厚が66mmと厚すぎて引き違い窓の製品化が難しいということ、それと高価格ということだそうです。
まとめ
省エネ先進国の西欧にくらべ、引き違い窓の多い日本の住宅では、大きな開口部の開閉という重量対策が克服すべき課題となっているようです。
まだまだ課題はありますが、技術の進歩と捉えて、今後の普及に期待したいと思います。