住宅は高性能になるほど、窓の性能が大事!その1

窓の性能 省エネ住宅

断熱性能の低い住宅は、床・壁・天井いたるところの隙間から熱が逃げるので、窓から逃げる割合が低いんです。

反面、断熱性能の高い住宅ほど、開口部の性能が大切になることになります。

窓の役割

窓の役割については、

採光、眺望、開放感、換気、通風、日射の取り入れ、内外の遮断(熱・音・意識)、出入り口、防火

がありますが、住宅の温熱環境性能とういう観点で見れば、以下の4つが大切ですね。

①断熱性能、②日射取得、③日射遮蔽、④気密性能

それぞれについて、どういう基準で考えるかというと、

①断熱性能→窓の断熱性能を高め、暖冷房の効率を高めるために、建具やガラスの仕様を決める

②日射取得→冬季に日射を取り入れることで暖房負荷を少なくする

③日射遮蔽→夏季の日射を遮蔽するため、窓の方位により庇や外付けブラインドを設ける

④気密性能→隙間風による熱の移動を抑えるため、窓の気密性能を高める

①断熱性能

窓の断熱性能は、窓のU値(熱貫流率)で判断します。単位はW/㎡Kで、値が小さいほうが断熱性能が優れています。

フラット35S技術基準の断熱等性能等級4の住宅について、仕様基準によれば開口部比率に応じて、求められる開口部の熱貫流率が違ってきます。

[開口部比率による区分(一戸建ての住宅の場合)]
開口部比率
の区分
地域の区分
1・2・3 地域 4・5・6・7・8 地域
(い) 0.07未満 0.08未満
(ろ) 0.07以上0.09未満 0.08以上0.11未満
(は) 0.09以上0.11未満 0.11以上0.13未満
(に) 0.11以上 0.13以上
[開口部の断熱性能(熱貫流率の基準値)]
開口部
比率
の区分
熱貫流率の基準値(単位:W/㎡K)
地域の区分
1・2・3 地域 4 地域 5・6・7 地域 8 地域
(い) 2.91 4.07 6.51
(ろ) 2.33 3.49 4.65
(は) 1.90 2.91 4.07
(に) 1.60 2.33 3.49

※参考ですが、(ろ)欄は、H25基準以前の開口部性能等級4の数値

5・6・7地域の旧基準値「4.65」に対応するアルミサッシは、「一重アルミ枠+複層ガラス(A4~A10)」になります。(H25基準以前は、4.65を満たすサッシを使用していれば、省エネ基準を満たしていたということ。)

H25省エネ基準の「仕様基準」では、外壁面に対して開口部の占める面積が大きい場合は、窓の性能を上げなさいよということです。

まとめ

今回は、窓の断熱性について考察してみました。上の表は、「仕様基準」といって細かい計算を前提としないときに採用する数値です。

現在の外皮性能を細かく計算する「性能基準」とは異なりますので注意して下さい。

いずれにしても、性能が同じものさしで表示されるので分かりやすくなりましたよね。

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