ZEHは、躯体の断熱強化と設備の高効率化により、現行の省エネ基準よりも20%以上省エネをする必要があります。
その上で、創エネにより、住宅で消費するエネルギーをゼロにしようというものです。
効率化された設備にはどういうものがあるのでしょうか。
ZEH仕様の設備
[暖房・冷房設備]
ルームエアコンのエネルギー消費効率:
主たる居室に設置するエアコンの冷房COPが、(国)建築研究所の区分表で(い)の基準をみたすこと(H28基準)。
H25基準では、上記記述はありませんが、算定プログラムに選択欄がありますので、対応機種を選択するのがよいでしょう。
主たる居室に5.0kWのエアコンを設置するのであれば、COP 3.26 以上の性能が必要です。
COPはエネルギー消費効率のことで、冷房能力を消費電力で割った数値(電力1kWあたりの冷房能力)になります。
5.0kWの冷房能力が5.0kW、消費電力が1500Wであれば、COPは 3.33>3.26 ということで基準を満たすことになります。
※エアコンの能力選定の際、畳数で選択することがありますが、高断熱住宅の場合オーバースペックとなることになりますのでコスト意識が必要です。
[換気設備]
第二種、三種換気でもOK。熱交換機能がある場合は、便宜的にプログラム上「ダクト式第一種換気設備」を採用したことにして入力する。
重要な要素であると思いますが、換気設備に関してはあまり厳しい基準となっていませんので、通常の換気扇を採用すればよいと思います。
ただ、実際問題として換気は熱の損失が大きいので、壁付けの熱交換型のものを付けるのがよいと思います。
[給湯設備]
(国)建築研究所の基準による。
選択肢はありますが、電気ヒートポンプ式給湯器(エコキュート)が一般的なのではないでしょうか。
※全く関係の無い話になりますが、エコキュートは室外機の音が近隣問題に発展することが多いようです。設置場所には配慮が必要です。
[照明設備]
もはや、LED以外の選択肢は無いと思いますが。
まとめ
ZEHの場合、計画の最終段階で設備によるコスト調整が難しくなりますので、あらかじめ余裕をもって予算計上しておくようにしたいところです。