H28年4月から登録ビルダー制を採用することで勢いを増したZEH制度。
H28年度補正予算三次公募が、1月23日~2月17日で実施されることも発表になり、H29年度の動向も気になります。
H28年に公表された資料をもとに、ZEHの実態を調べてみました。
※資料は、(社)環境共創イニシアチブのものを抜粋しています
ZEHの定義
ZEHとは、快適な室内環境を保ちながら、住宅の高断熱化と高効率設備により出来る限りの省エネルギーに努め、太陽光発電等によりエネルギーを創る事で、1年間で消費する住宅のエネルギー量が正味(ネット)で概ねゼロ以下になる住宅のこと。
躯体の高断熱化と設備の高効率化により、省エネ基準よりも20%以上の省エネをZEH基準として設定しています。
地域別の基準値は、下表
平成27年11月26日の「未来投資に向けた官民対話」のなかで、安部総理は次のように発言をしました。
「住宅の省エネを促進します。2020年までに、ハウスメーカー等の新築戸建ての過半数をZEH化するとともに、省エネリフォームを倍増します」
ZEHにする理由
ZEHにする理由をみてみます(H26事業者)。
高熱費の削減、快適な住まいの実現がダントツで、当然の感ありですね。
ZEHにした感想
ZEHに住んでからの実感(H26事業者)。
紫色「我慢の省エネ」をしなくても光熱費が抑えられている、に注目です。
ZEH採用理由が叶えられていることが分かります。
導入設備の割合(H28年事業の場合)
[冷房]
ほとんどエアコンですね。セントラル空調も236件あります。
[暖房]
エアコン、床暖房が半々。
高断熱の住宅であればエアコン(高効率)が最もコストパフォーマンスが良いのではないでしょうか。
[給湯設備]
電気ヒートポンプ給湯器(エコキュート)が65%でダントツですね。
光熱費はどうなった?電気使用量の少なさは驚き!
電気代について、見てみます。(オール電化が多いのではないかという考え方でいきます。ガス代、灯油代はここでは言及しません。)
[電気代]
冬の電気代が安くなったとの感想が多かったようです。
電気使用量の少なさに驚きです。
下の表の最下欄、H26年事業者の場合、2月の使用量が 810kWh。
我が家(平成11年省エネ基準、築後16年、約120㎡、家族4人、オール電化、エコキュート床暖採用)は、今年12月分が1,694kWh。
12月で約2倍ですから、2月ではもっと差が出そうです。
設備機器の省エネ効率は違うにしても、この差は大きいですよね。
都道府県別交付決定状況(H28.10)と、この先の予測
[都道府県別、交付決定状況] 関東、中部が多いですね。我が活動範囲の北陸少ないです(3県で 128/6、356)。[都道府県別、持ち家新築の中でのZEHの割合]
全国平均で、2.3%です。
2016年度(H28年度)の途中経過ではありますが、2020年には新築の50%を超えるという目標値からは、程遠い感がありますね。
強いハウスメーカーも工務店が伸びる施策
[H28年度の交付状況]ハウスメーカーがめちゃくちゃ強いです。
[工法別交付状況]以外といってはいけないのでしょうが、鉄骨造が多いですね。おそらく鉄骨造の大手ハウスメーカーが占めているのだとおもいます。
が、ZEH施策の中に工務店の省エネ意識・技術の向上があるとおり、今後工務店も数値を上げる気がしています。交付条件のなかにも、申請が一回目のビルダーには優遇措置があります(交付申請が通りやすいということ)。
まとめ
こうやってユーザーの声をまとめた資料をみて、ZEHの良さが分かりました。
補助金制度もあり、H28年度は大きく浸透したようです。でも、上記のように新築の中でのシェアをみれば、ZEHの本格的な浸透はこれからという気もします。
いまはコストアップ分を吸収するための補助金制度がありますが、ZEHが浸透することで建築コストが下がり、多くの人が快適な生活を手に入れることが出来るようになるといいですね。
目標達成のために、今後国は更なる積極姿勢に出てくるでしょう。H29年度の予算額が楽しみですね。