H25省エネ基準の2本柱は、①一次エネルギー消費量基準、②外皮の熱性能基準です。
ここでは、そのうちのひとつ、①一次エネルギー消費量基準について考察します。
一次エネルギー消費量基準
基本的には、設計施工指針[本則]により、計算により求めます。
一次エネルギー消費量は、「暖冷房設備」、「換気設備」、「照明設備」、「給湯設備」、「その他設備」のエネルギー消費量を合計して算出します。またエネルギー利用効率化設備(太陽光発電設備やコージェネレーション設備)による発電量は、エネルギー削減量として差し引くことができます。
評価対象となる建物において、地域区分や床面積等の共通条件のもと、実際の建物の設計仕様で算定した設計一次エネルギー消費量が、基準仕様(H11年基準相当の外皮と標準的な設備)で算定した基準一次エネルギー消費量以下となることを基本とします。
様々な計算プログラムが用意されています。
国交省告示第907号によれば、一次消費エネルギー消費量に関する基準については、当分のあいだ、設計施工指針の[附則]によることができます。つまり、上記のような計算によらなくても良いことになっています。
(低炭素認定の基準、太陽光発電・コージェネレーション設備を評価したい場合は、この[附則]は使用できないので注意。)
一次エネルギー消費量に関する基準[附則]
基準確認のフローが下図です。
住戸の一次エネルギー消費量は、建て方や外皮の性能、床面積、設備の仕様によって、その多寡が決定します。
そこで[附則]の仕様基準では、
①一次エネルギー消費量の基準値を適用できる住戸の形状となっているか
②導入する設備仕様が告示で示す設備仕様(標準設備)以上の性能であるか
の2つの要件を満たす必要があります。
①住戸の形状
当該住戸の形状について、外皮等面積の合計を床面積で除した数値が、住宅の種類及び地域区分に応じ、以下の表に掲げる値以下であること(一戸建ての住宅の場合)。
地域区分 | ||
一戸建ての住宅 | 1~3 地域 | 4~8地域 |
2.9 | 2.8 |
②設備仕様
導入設備の仕様に関する要件について。
暖房、冷房、全般換気、照明及び給湯のそれぞれの設備について、H25国交省告示第907号に該当するもの、または、判断の基準においてこれと同等以上の評価となるものであることとします。
告示第907号の仕様については、別稿で説明します。
まとめ
上記のフロー図の通り、①②において適合していれば、一次エネルギー消費量についての基準をクリアすることになります。
また、設備の仕様に関しては、算定プログラムによって、「標準仕様と同等以上の評価となるもの」を確認することもできます。
その方法については、別稿で説明したいと思います。