透湿防水シートに対する2つの懸念

現場考

透湿防水シートは、主に外壁の下地防水に用いられるシートのこと。

外部からの風雨を防ぎつつ、室内側からの湿気を外部に排出する機能を持ちます。

最近の住宅の高性能化の流れのなかで、少々問題点も出てきているようです。

現場直吹き発泡材での問題

近年断熱工事の品質確保の観点から、ウレタン等現場発泡断熱材を透湿防水シートに直接吹き付ける工法が目立つようになりました。

この工法において、吹付け剤が膨張することで外壁材裏面と透湿シートの間で通気経路が遮断されるケースが見られます。

解決方法としては、面材等をシートと下地材の間に張り込むことで、シートが外壁側へ膨らむのを抑える必要があります。

防蟻・防腐剤による透湿防水シートへの影響について

従来は、防蟻・防腐材が十分に揮発した部材を使用する限り、透湿防水シートへの影響はほとんど無いものと考えられてきました。

しかし、長期優良住宅の普及等の流れのなか、構造材のみならず通気胴縁に対しても防蟻・防腐処理されるケースが増加しており、雨水に晒され溶け出した防蟻・防腐剤が透湿防水シートの防水性を低下させる事例が散見されるようになりました。

対策として、防蟻・防腐処理されている胴縁を使用する場合、施工中雨水で濡らさぬよう、胴縁施工後は外装材を速やかに施工することが必要です。

まとめ

防蟻防腐処理された胴縁の施工については、現場作業という観点から雨水対策については対応が難しい部分がありました。

最近、透湿防水シートの主要メーカーのデュポン社から新製品が出たようなので紹介しておきます。

(ただ、価格が従来品の2.5倍くらいになっているのが気になりますが...)

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デュポン社のHP

 

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