民泊、すなわち簡易宿所への変更には、旅館業法以外の手続きが必要です。
建築基準法、ほかには消防法上の手続きが必要です。
消防法は要注意!
旅館業法上は「簡易宿所」でも、建築基準法・消防法上はあくまで「旅館・ホテル」となります。
住宅などからの用途変更の際、一番気をつけて欲しいのは消防設備です。
消防法上、不特定多数が利用する「ホテル・旅館」に対しては非常に厳しい規制がかかります。
一戸建ての住宅からの用途変更の場合、求められる消防設備は以下です。
(150㎡以下の場合を想定します。)
・自動火災報知設備
・誘導灯
・カーテン等の防炎措置
・消火器
・漏電火災警報器(床、壁、天井にラスモルタルの仕上げがあるもの)
この中で、一番費用がかかるのが自動火災警報設備です。
300㎡以下なら無線連動型火災報知設備がおすすめ!
グループホームや老人介護施設等での火災事故が増加したことから、平成20年7月消防法が改正され、「ホテル・旅館」についても面積に関係なく自動火災報知設備の設置が義務付けられました。
ただし、小規模な施設の場合は緩和措置があり、「特定小規模施設用自動火災報知設備」とすることができます。
どのようなものがあるかというと、
①300㎡以下の場合、無線連動型警報機能付き感知器とすることができる。
②500㎡以下の場合、特定火災通報装置とすることができる。
①の無線連動型警報機能付き感知器の特徴です。
・警報機能付き感知器で火災の発生を感知した場合、ほかの感知器に発信する機能とほかの感知器からの火災信号を受信し警報を発する機能を有している。
・感知器どうしが無線で通信し警報を発報するため、受信機が不要である。
・電池式のため配線が不要で、既設の物件に対応しやすい。
・無線式感知器の無線部は電波法の特定小電力の技術基準に適合している。
・火災移報アダプタを介して、火災通報装置に火災信号を送信する。
(以上、オーム社「わかりやすい消防設備のしくみ」から抜粋)
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こんな感じです。
電話回線で消防署につながっています。
部屋数にもよりますが、この自動火災報知設備にかかるコストは、40~50万円くらいです。
まとめ
このほかに、建築基準法上の制限も加わる場合があります。
民泊への用途変更には、相当な費用がかかることを覚悟しておく必要があります。
用途変更の手続きは、こちら