高断熱高気密住宅の設計のキーワードは「シンプル」!夢や希望を整理して、ほんとに大切なことについて考えましょう!

高断熱高気密はシンプルに 省エネ住宅

コストアップ要因の多い高断熱高気密住宅ですが、何とか初期コストを抑えて建てたいものです。

設計の初期段階、基本設計がとっても大事

基本設計では、土地の向き・道路付け、近隣状況を読み取って、家族みんなの意見を取り入れながらプランニングを進めます。

ここで注意しなければいけないのは、すべての要望に沿ってプランを構成すると、平面的には凹凸のある、または断面的には1~2階の組み合わせの悪いものが出来上がったりします。

こうしたプランでは、外皮面積が大きくなって熱損失が増えるだけでなく、施工的にも難しい箇所が増えたりして、最終的に費用対効果の薄い住宅となってしまいかねません。

反面、極端なことを言ってしまえば、総2階建ての真四角な平面のシンプルなプランがコスト面では、もっとも優れていることになります。

そうはいっても、やはりデザインもないがしろにする訳にはいかないので、植栽等を含めた外構計画も織り交ぜながら、敷地全体をデザインすることで単調な外観とならないようにしましょう。

はなしは飛びますが、建て主の個性や住まい方に合わせてプランニングするのが良いという風潮もありますが、ライフスタイルの変化の激しい今の日本では、もう少し売るときのことも考えておく必要があるのではないでしょうか。

アメリカでは、個性的な住宅よりもごく普通のプランの家の方が、転売時に高い評価となるというはなしもあります。

プランの方向性が決まったら、窓についてよく考えましょう

窓は設計上とても重要な要素です。

断熱性能以外に、外観・開放感・出入りなどデザイン、使い勝手に大きく影響します。

これらを考慮しながら窓の選択・配置を決めていきます。

住宅の断熱を考えるときの基本的なスタンスは、暖房エネルギーを少なくするということです。

その為には、U値(熱貫流率)は小さく、η値(日射侵入率)は大きくが基本となります。

これを踏まえたうえで、地域特性・窓の方角によって使い分けることになります。

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窓の性能

採用する窓の性能に関しては、次世代省エネ基準による性能を基準に、選択をすることになりますが、その方角によって性能値を変えることでコストコントロールを行いたいところです。

サッシに関しては、アルミ断熱枠・樹脂枠・木製サッシ、ガラスに関しては、ペアガラス・トリプルガラス・Low-Eガラス・アルゴンガス入りLow-Eガラスなど選択の幅も広がっていますので、適材適所の配置が必要になります。

方角による使い分け

南の窓

  • 冬の日射を取り込めるようにU値(熱貫流率)が多少大きくても、η値(日射侵入率)の大きなガラスを採用する。
  • ひさしは夏の真南の日射遮蔽には有効だが、太陽が東西に振れた場合は、すだれや外付けのブラインドで遮蔽する。

東西の窓

  • 日射取得は南の窓の半分程度。U値とη値のどちらを優先するかは、地域によって異なる。
  • 東西の日射が強い。冬の日射取得にはマイナスだが、日射遮蔽ガラスを採用する。

北の窓

  • 冬の日射取得は期待できないので、U値を最優先する。熱損失を少なくするため、不要に大きくしない。
  • 夏の通風を考慮し、開閉方式を検討する。

玄関戸

  • 大きな開口部となることと、結露を起こし易い部位なので、熱損失の少ない気密性の高いものを採用する。

まとめ

窓は断熱性能に大きく影響しますが、他の要素、例えば風向き・周囲の視線・部屋の間取りとの関係によっても、形状・機能が制限されます。

住宅にとって、とても重要な要素となりますね。

ここまでを十分検討すれば、あとは断熱性能を確認して、基本設計もほぼ終了です。

あとは、細かなこだわりの部分を整理していきましょう!

 

 

 

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