2019年5月の省エネ法改正により、設計者から建築主への省エネ性能に関する説明が義務付けられることになりました。
これに伴い、省エネ性能評価について簡略化された方法が追加されました。
外皮の性能について「外皮の面積を用いずに外皮性能を評価する方法」という簡易計算ソフトが公開されましたので、
これによる計算結果と、従来からある外皮面積を入力しておこなう「標準型入力法による外皮性能計算」ソフトによる結果を比較してみたいと思います。
「外皮の面積を用いずに外皮性能を評価する方法」
性能表示協会のホームページから、「外皮面積等を用いない外皮計算シートEXCEL版」をダウンロードします。
エクセルシートの赤丸の部分に入力するだけです。
「共通条件・結果」シートに入力します。
面積の入力は、ここで入力する床面積だけです。
引き続き、開口部の入力、開口部の入力(2)、外皮の入力、土間床等の入力をします。
窓の熱貫流率、日射熱取得率を入力。
ドアの熱貫流率、日射熱取得率を入力。
屋根、外壁、床の熱貫流率等を入力。熱貫流率は予め部位ごとに計算しておいたものを入力します。
温度差係数は部位の状況に応じて選択します。
基礎の形状、断熱材の状況を入力します。
計算結果です。
この例では等級4は不適合となりました。
簡易計算なので、不利側にでるのではないか、ということで標準入力型で検討してみたいと思います。
「標準入力型による外皮計算」
先ほどの性能表示協会のサイトから、「【H28】木造戸建て住宅[標準入力型]EXCEL版」をダウンロードします。
方位ごとに外壁面積、開口部の面積を入力します。
屋根、床の面積・熱貫流率を入力します。
基礎について、入力します。
計算結果です。
やはり不適合です。
まとめ
今回の物件では、どちらもNGとなりましたが、
詳細計算の「標準入力型」による計算では、
0.96から0.89に改善されました。
この例では、窓の性能値を入れ替えることで一気にOKになることを確認しました。
断熱材の性能、厚みを入れ替えたりしてコストバランスを検討してみたらいかがでしょうか。