ZEHや低炭素住宅・BELS、高省エネ住宅が主流となる中で高断熱・高気密住宅の問題点も見えてきています。
高断熱・高気密住宅で壁内結露を起こさないようにする為のチェック項目、2点
室内側の壁の表面やガラス面での結露も放っておくとカビの原因になってよくありません。こまめにふき取る必要があります。
でも、ここでいう結露は壁内で起こる結露のことを言います。
チェックしなければならないのは次の2点。いずれも施工精度の確認です。
①室内側の防湿シートが確実に施工されているか?
②外部の通気層の空気の逃げ道は確保されているか?
まず①の防湿シートについて、
防湿シート、これは室内側の湿気を壁内に侵入させないために設けられるものです。グラスウール等の繊維系の断熱材を壁内に設ける場合に、室内側に石膏ボードを張る前に施工します。
高断熱・高気密の住宅が「サランラップ住宅」と揶揄される場合の、サランラップに相当する部分です。
この部分がきっちりすきまなく張られていない場合に問題がおこることになります。
とくに電気のコンセント廻りや換気扇等のダクト廻りは要注意です。
室内側の石膏ボードを張る前に目視で確認します。
次に、②の外部通気層のチェックです。
外壁通気層というのは、壁に水分が入った場合にそれをスムーズに外部へ排出する役割を担う大変重要なスキマです。
この通気層に入ってくる水分は、外部から雨水等として浸入する場合もありますが、室内側から水蒸気として侵入する場合があります。
壁の中の通気、すなわち空気の流れは建物の土台付近から入って、建物の上層部の軒や小屋裏、屋根の棟から逃げていくという仕組みになっています。
この空気の流れがどこかで止まってしまったときに、どこかに弱点があればそこから室内側の壁に侵入して問題を起こすことになります。
この部分は、やはり専門の知識がないとチェックは難しいです。
現場監督や設計監理をする人間が、細部にわたってチェックしなければならないところです。
壁にカビが出てきたら要注意!壁内結露を疑ったほうが良いかもしれません
防湿層の施工不良から、室内側の壁内でできた結露が原因でカビが発生する例がよくあるそうです。
外部からの雨漏りの可能性も考えられますが、はやめに専門家に見てもらうのがよいと思います。
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まとめ
昔のスキマだらけの家は、ストーブとかのせいでガラス面がびっしょりと結露したものです。
それも健康上よろしくないのでしょうが、壁内結露もほとんど気にしなくて良いものでした。なんせスカスカなのですから。
でも、現在の高断熱・高気密はスキマのないのが大前提としてあって、ちょっとしたスキマが仇になってしまうということになってしまうようですね。
とにかく、しっかりと施工管理なり設計監理を心がけたいものです。