在来工法では、外壁と小屋裏の取合い部が空隙で連続的につながっています。
この状態では、繊維系断熱材の場合では壁内気流が起こるため、断熱効果に不利に働きます。
気流止め
壁内気流や断熱材の垂れ下がりを防止し、空気を静止させて断熱効果を高めるものが「気流止め」です。
土台周りと外壁・間仕切壁の取り合い部分、天井と外壁・間仕切り壁の取り合い部分に気流が生じないように、気流止めと気密シートで塞ぐ必要があります。
最近は、床下地に根太を使わない根太レス工法が主流になってきているので、この場合床と壁の部分に関しては床合板が気流を止めてくれています。
天井と壁の取合い部分に関しては、壁内に気圧差が生じることを考慮すると、根太レス工法の場合でも気流止めを行うべきです。
外壁通気
気流止めを施工する場合に、必ずセットで考えたいのが外壁の通気層です。
理由は下記。
サイディングやモルタルの直施工がされている場合、雨漏りなどで外壁から雨水が壁体内に侵入したときに、防水紙の穴や隙間を抜けて、下地材・壁体内に到達してしまう可能性が高くなります。
気流止めが施工されていなければ、壁体内に吹き込む気流によって雨水は乾いてしまいますが、気流止めが無ければ雨水は壁内に滞留することなり、材木を腐らせたり、壁内のカビの原因になったりします。
気密性が大事
気密工事が適切に行われていない場合、室内の上下に温度差が発生し隙間風を感じるようになります。
室内の上下温度差がある場合は、温度差がない場合に比べて、在室者の上体部辺りの高さでの体感温度が4℃くらい低く感じられるというデーターがあるそうです。
室内の上下温度差が生じない程度の気密を確保すれば、寒いと感じにくい住宅になります。換気計画なども考慮すれば、C値(すきま相当面積)で5cm2以下が理想のようです。
まとめ
省エネ住宅の断熱性能を確保するためには、気流止めを確実に施工して、壁体内に空気の流れを生じさせないことがとても大事。