民泊(旅館業法上の簡易宿所)の違法営業が3割超え。泊まるときに注意してもらいたい点もまとめておきます!

民泊

いま流行りの民泊。Airbnbというサイト経由で外国人観光客の利用が増えているようです。

料金も安く設定されていて、日本人の観光客も結構利用しているようですね。

民泊の3割、無許可営業~法整備で罰則強化へ

H29.3.2付の新聞には、その3割が無許可営業という記事が出ていました。

まあ、利用する人にとって見れば、無許可営業は了解の上ということもあると思いますが、注意する点をまとめておきますね。

まずは、新聞記事から

 住宅を宿泊施設として活用する「民泊」について、厚生労働省が全国の約1万5千物件を調査したところ、少なくとも約30%に当たる約4600件が無許可営業だったことが1日、分かった。
政府は外国人旅行者の増加に伴う宿泊施設の確保のため、昨年4月から旅館業法に基づく許可制の形で民泊を解禁した。しかし、無許可が横行し近隣住民とのトラブルなどにつながりかねないと指摘されていた。
厚労省は、無許可営業の罰則を大幅に引き上げる旅館業法改正案を近く国会提出する。営業日数などを制限して上で旅館業法より緩やかな規制を適用する新法も検討中で、同様の罰則を織り込む方針だ。
厚労省によると、昨年10~12月、インターネット上の民泊仲介サイトで紹介されている物件から全国の1万5127件を抽出して調べた。

 

「民泊」は旅館業法上の簡易宿所のこと。営業には同法の許可が必要です!

一戸建ての住宅や、アパート・マンションの一室を、宿泊施設として貸し出すのが「民泊」。

空いている部屋を持っている人にとってみれば、ホテル不足で困っているなら貸しましょうか、ということで施設の有効利用であり、ある意味社会貢献のひとつとも取れるでしょう。

知らない人から見れば、良いことなんだから適法に許可を取った上で営業すればよいのでは、と思います。

旅館業法上の許可に関しては、申請手数料は約2万円、手続きもそれほど難しくなく、本人申請でもなんとかいけます。

無許可営業が多いのには、理由がありそうですよね。

「民泊」への用途変更、そこには高いハードルがあります

旅館業法の管轄行政庁は、国は厚労省、県・市レベルでは保健所がその窓口になります。

ですので、「民泊」をやろうと思ったら、Airbnbとかのサイトに登録する前に、近くの保健所に行かなければなりません。

そこでは、旅館業法上の許可を受けるために必要な手続きとして、他の行政窓口で事前の相談なり手続きをするように指示されます。

各窓口は下記、

建築指導課

「住宅」から「民泊(簡易宿所)」への用途の変更手続きが必要になります。ここでは、「建築基準法」上の適合性をチェックされます。「民泊」は、建築基準法上は、あくまで「旅館」です。規模(100㎡超の場合)によっては、厳しい規制が追加されますし、用途変更に伴う確認申請が必要になります。

⇒関連記事:用途変更時の悩みの種、「防火上主要な間仕切り壁」ってなーに?

都市計画課

おもに条例上の都市計画への適合性をチェックされます。「旅館」は「ホテル」でもあるわけで、行政によっては風俗上好ましくないホテルを立地によって規制している場合があります。

その他、景観上条例・広告条例・地区計画なども対象になります。

⇒関連記事:地区計画・建築協定に注意!

消防署

「民泊」は、消防法上は「旅館」となります。旅館はその性質上、不特定多数の人が滞在するということでとても厳しい規制がかかります。「消防法上の防火設備」というものの設置が必要になり、コストもそれなりにかかります。

⇒関連記事:簡易宿所に変更したいが、自火報のコストが悩ましい...

宿泊者が注意したいところ

保健所や消防署が、施設の管理者に指導していることがあるので、補足として挙げておきますね。

消防署

消防庁から出ている指導的パンフレット。

必要な防火設備とその役割、自動火災報知設備、誘導灯、消火器のことや、室内のカーテン等の防炎措置について書いてあります。

施設の管理者には知っておいてもらいたい内容です。

民泊の防火設備

 

保健所

石川県金沢市が出している衛生管理上の指導的パンフレット。

外来のダニの害が報告されているようですね。

管理者に対して、適切なチェックと燻蒸などの処置を指導しています。

民泊の衛生

 

まとめ

外国人観光客の増加でホテルの宿泊料が高騰し、予約もままならない地域もあると耳にします。

利用者側から見れば安いに越したことはないし、営業者側からすれば高いコストをかけていては採算が合わないという事情もあります。

「民泊」の営業に際しては、事前に建築士等の専門家に相談してから事業計画を練ってみてはいかがでしょうか。

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